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2006年2月28日 (火)

港区の坂-8

2006年2月28日

麻布十番駅(地下鉄南北線)・・・内田坂・・・暗闇坂・・・大黒坂・大法寺大黒天・・・七面坂・・・一本松・・・狸坂・・・狐坂・・・宮村坂・・・さくら坂(旧玄碩坂)・妙経寺・・・けやき坂・・・桜田神社・・・紺屋・・・中坂・・・北条坂・・・鉄砲坂・・・堀田坂・・・御太刀坂・・・牛(鳴)坂・・・大横丁坂・・・霞坂・・・笄坂・・・根津坂・・・北坂(姫下坂)・・・大松稲荷・・・表参道駅(地下鉄千代田線)

 麻布十番商店街を西北に進み、六本木高校と南山小学校の間の内田坂を上りました。 坂上をさくら坂公園の近くまで行きました。商店街に戻り、暗闇坂を上ると、大黒坂が東へ下り、一本松坂が南西に上り、狸坂が北西に下り、大黒坂の途中から北に七面坂が下っています。まさに坂銀座、坂の交差点です。大黒坂の途中に、大法寺の大黒天、一本松坂には伝説の松(何代目かの)があります。

 狸坂を下ると西に中国大使館の南側へ坂が上っています。無名の坂のようですが、この辺の昔の俗称、大隈山に因み大隅坂とでも呼びたい坂です。この坂の途中から北に上るのが狐坂ですが、今はマンション街の間の坂となっています。狐坂は坂上から宮村坂となり、テレビ朝日通りまで上ります。中国大使館の周辺は、広く何重にも警備の警官に囲まれていて写真を撮るのは無理です。

 六本木ヒルズの建設により玄碩坂が消滅し、同じ道筋がさくら坂と命名されました。「玄碩坂」の名を残しておいてもよさそうにと思うのですが、現代的なシャレタ街には、古めかしい名は似合わないと考え、ありふれた、無難な「さくら坂」にしたのでしょう。坂上近くに妙経寺は今も残っています。けやき坂はヒルズ内を通る新しい坂です。坂上からテレビ朝日通りを渡り、桜田神社に参り、南に進み紺屋坂(芥坂)と中坂を歩きました。平行してテレビ朝日通りに上る坂です。

 中坂の坂上からテレビ朝日通りを南に行くと、愛育病院前の交差点から北西方向に、北条坂が下り、さらに鉄砲坂となり下って外苑西通りまで下ります。鉄砲坂の坂標は北条坂となっています。一つの坂としているのでしょうか。坂下から外苑西通りを渡り、堀田坂を上りました。南西方向に上り右に曲がり高陵中学校の先あたりまで上る長い坂です。 坂下に戻り、北に少し行き神道大教院の北側の御太刀坂と、その北側に平行する牛(鳴)坂を上り下りしました。

 牛坂の坂下から外苑西通りを挟んで大横丁坂が上っています。坂の南側にルーマニア大使館、ギリシャ大使館、ラオス大使館があり、坂上はテレビ朝日通りとなる長い坂です。 坂上から六本木通りへ出、西に霞坂を下り、外苑西通りを渡り笄坂を上りました。人と車の通行の多い所です。坂上、長谷寺の南側から何度が道を間違え、根津美術館に着きました。美術館の北側、南青山4丁目の交差点から美術館沿いに根津坂を下りました。この坂は、一般には北坂(=姫下坂①)とされています。

 坂下を北西方向に進むと青山霊園立山墓地の南側に沿い北坂が上っています。これが伝説の姫下(ひめおり)坂②でしょうか?坂下には青山の庚申塔があります。姫下坂をもう一本北寄りの道筋とする説もあります(姫下坂③)。北坂(姫下坂②)の坂上を西に行き、根津坂上から北方向に進み、大松稲荷を過ぎ、青山通りの表参道駅に着きました。

  写真をクリックすると拡大します。

DSC06664 内田坂 六本木6-16と元麻布3-8の間を北西に上る。《地図

坂の南に下総小見川藩主内田豊後守の屋敷があった。明治以降の坂。『今昔東京の坂』

DSC06672 暗闇坂  元麻布1-1と3-12の間を南西に上る。《地図

DSC06680 大黒坂 元麻布1-2と1-1の間を西に上る。坂下は七面坂上。(暗闇坂の《地図》にある)

DSC06678 大法寺大黒天

大黒坂の途中にある。港区七福神の一つ。

DSC06688 大黒天?

DSC06685 七面坂  麻布十番2-4と2-5の間を南に上る。《地図

東側にあった本善寺に七面大明神の木像があった。

DSC06694 一本松坂  元麻布1-3と2-11の間を南西に上る。坂下は暗闇坂上。暗闇坂の《地図》にある。

源経基などの伝説をもち、古来、植えつがれている一本松が坂の南側にある。『観光マップみなと』 

DSC06691 一本松由来碑

DSC06693 一本松

DSC06701 狸坂  元麻布3-13と2-11の間を南東に上る。坂上は一本松坂下。暗闇坂の《地図》にある。

狸が出没したため。旭坂というのは東へのぼるためか。『観光マップみなと』

DSC06705 無名の坂(大隈坂?)  元麻布2-5と3-6の間を西に上る。中国大使館の南側。《地図

DSC06707 狐坂  元麻布3-5と3-6の間を北西に上る。坂上は大村坂下。《地図

DSC06710 さくら坂(旧玄碩坂(げんせきざか))  六本木6-15と6-12の間を北西に上る。六本木ヒルズ内の坂。《地図

一番下に「玄碩坂」の写真あり。

DSC06712妙経寺(さくら坂坂上)

DSC06716 けやき坂  六本木6-9と6-12の間を西に上る。六本木ヒルズ内。《地図

DSC06721 中坂  西麻布3-8と3-6の間を東に上る。《地図

北条坂と紺屋坂の間の坂。

DSC06726 北条坂  南麻布5-4と西麻布3-8の間を南東に上る。坂下から鉄砲坂が続く。《地図

坂下近く南側に大名北条家の下屋敷があった。『観光マップみなと』

DSC06729 鉄砲坂  西麻布3-10と南麻布5-2の間を南東に上る。【坂標】は北条坂としている。《地図

坂の崖下に鉄砲練習場があった。

DSC06732 堀田坂  西麻布4-8と渋谷区広尾4丁目の間を南西に上る。《地図

江戸時代には、大名堀田家の下屋敷に向って上る坂だった。『観光マップみなと』

DSC06740 御太刀坂  西麻布4-9と4-13の間を西に上る。《地図

坂名の由来不明。

DSC06751 牛(鳴)坂  西麻布4-10と4-11の間を西に上る。《地図

源経基や白金長者の伝説のある笄橋に続く古代の交通路で、牛車が往来したためと想像される。『観光マップみなと』

DSC06761 大横丁坂  西麻布3-16と3-17の間を東方向に上る。ルーマニア大使館、ギリシャ大使館、ラオス大使館の北側。牛坂と向き合う坂。《地図

江戸時代この辺を俗に大横丁と呼んでいた。

DSC06765 霞坂  西麻布1-8と3-20の間を東に上る六本木通り。坂下で笄坂と向き合う。《地図

明治初年に霞稲荷(現桜田神社)から霞町の町名ができ明治20年代に開かれた坂に名付けた。

DSC06768 笄坂  西麻布2丁目と4丁目の間を西に上る六本木通り。《地図

坂下を流れていた笄川の名からついた。『観光マップみなと』

DSC06775 根津坂  南青山4-23と根津美術館の間を北西に上る。《地図》(北坂と標示している)

この坂を北坂、伝説の姫下坂とするものが多い。

DSC06784 北坂(姫下坂)  南青山4-25と4-28の立山墓地の間を東南に下る。《地図

「姫下坂の伝説」 坂上一帯を長者丸といい、渋谷長者の姫と白金長者の息子の恋物語伝説。二人はいつも笄橋で落ち合っていた。いつもは姫は籠でこの坂を下っていたが、時折、籠から下りてこの坂を歩いて下り笄橋まで行ったという。

姫下坂の考えられる三つの道筋。《地図》(①の道筋が一番多い説。 ②は「赤坂区史」・私もそう思う。③は「長者丸通」というらしく、伝説にはぴったしだが傾斜がほとんどないようだった。昔はもっと坂らしかったのだろうか? そうならこの道が姫下坂に一番ふさわしい。『港区歴史散歩』もこの道筋としている。

iGa様からコメント(下記)をいただき、北坂はやはり②の道筋が正しいことが分かりました。坂名の由来は、日向高鍋藩秋月家の下屋敷の北に面していたからです。詳しくは、『彷徨える北坂』で。(2013年8月23日)

 

Dsc06783庚申塔標(北坂の坂下)

Dsc06782 庚申塔説明板

「右へ行けば長者丸通り」とある。姫下坂③の道筋だ。

DSC06789 宮村坂(左)  元麻布3-2と3-3の間を北西に上る。狐坂から続く坂。麻布宮村町による名。《地図

紺屋坂(こんやざか)(右)  西麻布3-5と3-6の間を東に上る。 《地図

こうやざかとも読む。この坂付近に紺屋(染物屋)があったのでこう呼んだ。また江戸時代、坂のがけ下がごみ捨て場だったことから、ごみ坂ともいった。

1997年8月撮影

DSC06790玄碩坂 (左が坂上から 右が坂下から)  六本木6-15と6-14の間を北西に上る坂だった。六本木ヒルズの建設で消滅。《地図》(このあたりにあった)

坂付近に玄碩という僧が住んでいた。

 1997年8月撮影

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コメント

iGa様へ
「彷徨える北坂」を拝読しました。
「北坂」の名前の由来も分かり勉強になりました。
拙ブログに記事を追加し、リンクを貼らせてもらいました。ありがとうございます。

          坂道散歩

 

投稿: 坂道散歩 | 2013年8月23日 (金) 16:11

>②は「赤坂区史」・私もそう思う。
北坂の位置は私もそう考えます。
私も2005年に拙ブログに「彷徨える北坂」をエントリーしてます。確か1980年代には北坂を示す標識(道標)があった筈ですが...。

投稿: iGa | 2013年8月23日 (金) 10:53

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