金沢市の坂-5
2007年11月28日
金沢駅・・・武蔵ケ辻・・・賢坂辻・・・永福寺・木曽坂・・・みどり坂・・・(宝円寺)裏門坂・・・木曽坂・・・安藤坂・・・宝円寺・・・献珠寺・高源院・馬坂・馬坂不動尊・・・椿原天満宮・天神坂・・・小立野トンネル・・・鶴間坂・・・旭用水・・・牛坂八幡神社・・・牛坂・・・天徳院・・・小立野バス停→金沢駅
小立野台地と浅野川左岸の間の坂道散歩です。小立野台地と宝円寺の間の源太郎川が流れるあたりを木曽谷といい、昔は木曽谷に流れ落ちる川の流れが轟いていて、轟来(とどろき)町、明治になり百々女木(どどめき)町といった。今は源太郎川は住宅地の間や下を蛇行しながら流れる細い川になってしまい、かつては渓流で信濃の木曽路に似ているという面影はない。
木曽谷から上るいくつかの坂を歩き、宝円寺から高源院へ出て馬坂を下る。六曲り坂の別名のとおり曲がりながら下って行き、坂途中からの景観も変化がある気持ちのいい坂だ。
馬坂の坂下から椿原天満宮の脇の天神坂を上り、小立野トンネルを越え、金沢美大の前から鶴間坂を下る。坂の途中でヘアピンカーブする歩行者専用の長い坂で木々と竹林の間を下って行く。風が竹林を鳴らし、落ち葉が坂に舞っている。坂下の旭用水沿いを進み、旭町のバス通り沿いの牛坂八幡神社から浅野川の下田上橋に進む。
ここから小立野台地へ上る長い坂が牛坂だ。上るにつれ南東方向の眺望が開けてくる。牛坂の坂上近くから下る歩行者専用の坂がある。暗く細い坂が曲がりながら下って墓地を抜け、旭町のバス通りへと出る坂で、暗がり坂、暗闇坂、幽霊坂とでも呼びたい雰囲気の坂だ。長い牛坂を通らず、坂下と小立野台地を結ぶ生活用の坂のようだが、夜歩くのはちと寂しすぎる坂なのでは。牛坂へ上り返し、天徳院から小立野通りに出てバスで金沢駅に向った。
【地図】
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【坂標】の説明文 「木曽の山中のような幽すいな所なのでこの名がついた。その一部は宝円寺の裏門の坂なので裏門坂ともいわれていた。」 木曽坂=裏門坂としている。
参考:『金沢九十九坂』の「木曽坂近辺の坂と地図」
左手前方向にみどり坂、裏門坂へと続く。
木曽坂の坂標がカーブした所に立っている。金沢市では、みどり坂から(宝円寺)裏門坂に続く坂を木曽坂としている。しかし、『サカロジー 金沢の坂』は、裏門坂は寛文9年(1669)頃までは宝円寺谷坂と呼ばれていた木曽坂とは別の坂とする。『金沢九十九坂』も別坂としている。
新しくつけられた坂名だろう。
左上隅に「みどり坂」と彫られているらしいが判読困難。
坂上から裏門坂の下りとなる。
かつて宝円寺の裏門に面していた。それ以前は宝円寺谷坂と呼ばれていた。
安藤坂 木曽坂の坂上近くから南東に上る。《地図》
木曽坂上から上る坂。旧町名による名。それ以前は百々女木(どどめき)町、その前は轟来(とどろき)町といった。木曽谷に流れ込む川の流れが急で、高い音を轟かせていたからだという。
宝円寺(宝町6-14)
曹洞宗の寺。前田家菩提寺の一つ。
馬坂の坂上。
地蔵は文政期頃に安置されたと伝える。
【坂標】の説明文 「昔、田井村の農民が小立野へ草刈に行くため、馬を引いて登ったのでこの名がついた。六曲り坂ともいわれていた。」 右が高源寺
社地は椿原砦の跡、一向一揆の本営・金沢御坊の出城だった。
天神坂(坂下から) 椿原天満宮の前から南東方向に上る。《地図》
【坂標】の説明文 「椿原神社の旧社名、田井天神の横にあるのでこの名で呼ばれている。昔、坂の上部は三つに分かれていた。」
小立野トンネル(右)・天神坂の坂上近くから下る歩道の階段(左)
この道ができて、天神坂の交通量が減ったようだ。
鶴間坂(坂上から) 旭町3丁目と小立野5丁目の間を北西に上り、大きくカーブして南方向に上る。
【坂標】の説明文 「坂の上からの眺望がよく、加賀藩時代から詩歌を好む人が訪れ、ここを鶴舞谷と称していたのでこの名がついた。」
風で落葉が舞い、竹林が音をたてている。
右に旭用水が流れる。浅野川左岸から取水する唯一の用水。
このあたり一帯は牛坂村で、別名を牛坂用水ともいった。『サカロジー 金沢の坂』は、この坂を牛坂としている。
牛坂八幡神社(旭町1-17)
牛坂の坂下近く
牛坂(坂上方向) 小立野1丁目の下田上橋(浅野川)から北西に上る県道209号。
緩やかに上る広く長い坂。坂上は細くなる。昔は曲がりながら牛のよだれのようにだらだら上った坂で、牛坂と呼んだのか? 坂下近くに牛坂八幡神社があり、このあたりも牛坂村だったのだろう。
牛坂の坂上から下る歩行者用の坂。《地図》(道筋の標示はない。)
昼でも暗い中を下る。坂下は墓地で、「暗がり坂③」・「暗闇坂」・「幽霊坂」というところか。
天徳院山門
前田家三代藩主利常の正室(二代将軍徳川秀忠の次女)珠姫の菩提寺
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