葛城古道
2008年5月15日
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まさに風薫る五月、気持ちのいい快晴の中を古代の豪族、葛城氏、鴨氏が栄えた葛城山、金剛山の山麓の葛城古道を歩く。
近鉄御所駅から西にゆるやかに上り、六地蔵から南にあぜ道に入って行く。右手に葛城山、左手に奈良盆地が広がる気持ちのいい道だ。名柄の家並みを抜けると上りとなる。春日神社、高木神社、住吉神社とかなりの上って極楽寺へ着く。ここから橋本院までが一番きつい所で薄暗い山道を抜けると橋本院、史跡高天原の開けた明るい高台へ出る。(上の写真) ここから高天彦神社は近い。神社の参道を抜けると鶯宿梅、蜘蛛窟がある。ここから先は杉木立の中を下って車道に出る。車の通行量は少ないので歩きやすく、どんどん下って行くと高鴨神社だ。峠の感じはしない風の森峠から風の森バス停は近い。
【ル-ト地図】
*参考:『近鉄てくてくマップ 葛城の道コース』・『御所市観光ガイド』
写真をクリックすると拡大します。
葛城は鴨族発祥の地で、高鴨神社に対し下鴨社といわれる全国の鴨社、加茂、賀茂の元締め。
崇道神社 《地図》
怨念を持って死んだ桓武天皇の弟の早良親王(死後追称され崇道天皇)の怨霊を鎮める御霊神社。
このあたりは「櫛羅(くじら)」という地名。弘法大師が名づけた「クジラの滝」からとか、「クシヒト」が「クシラ」、「クジラ」になったともいわれる。
六体の地蔵が浮き彫りされている。室町時代のものといわれる。
畝傍山(中央あたり右の木の向こう)・香具山(右端奥)・耳成山(畝傍山の左奥)
田んぼへの水の分配を示す時計。「ばんすい」と思っていたが、高丘宮跡あたりで畑で作業をしている人は「ばんみず」と言っていた。今年は5月25日から番水時計による水の分配が始まるそうだ。
いわゆる欠史八代(二代綏靖から九代開化天皇まで)の虚構の天皇だろうが、葛城王朝の実在の天皇とする説もある。
一言主神社 【ル-ト地図】の2
古事記に雄略天皇との逸話も残る神社
樹齢1200年の神木の乳銀杏。
大和政権に反抗してここに封じもめられた土蜘蛛一族の塚。ヤマトに滅ぼされた土着、先住の勢力だろう。
葛城長江襲津彦は葛城氏の祖。それ以前に葛城垂見宿禰という伝説上の人物がいる。ここあたりは長江(ナガエ)といい、長柄・名柄となりそれがナガラと読まれるようになった。
片上醤油 【ル-ト地図】の3
前に葛城古道を歩いた時に醤油の小ビンを買ったら、後でだんだん重さがこたえてきた。
祭神は下照姫命。
中村家住宅(右)は江戸初期に建てられ、名柄の代官をしていた家柄から代官屋敷という説もある。重要文化財。 【ル-ト地図】の4
葛城酒造(正面右) 純米吟醸の辛口「百楽門」
葛城酒造の前で右に曲がる。
極楽寺に天得如来像図があるがそのことか。旧跡というのがよく分からない。
春日神社《地図》
極楽寺 【ル-ト地図】の7
橋本院観音堂(本堂)
本尊の十一面観音立像が安置
古事記では、ニニギの命は高天原から高千穂の峰(宮崎県日向)に天孫降臨する。ここ葛城氏の地が古事記の伝承の元になっているのか。
このあたりは標高400m位か、一面平坦な所で、まさに高天原というところだ。
福が帰(返)ったら、不幸が訪れないだろうか?
葛城氏の祖神の高皇産霊神(タカミムスビの神)を祀る。
畑の向こうの木がこんもりしている所が蜘蛛窟(鶯宿梅の所から)
蜘蛛窟 【ル-ト地図】の9
ここも一言主神社の蜘蛛塚と同じ、ヤマトに滅ぼされたこの地方の土着先住者たちの供養、慰霊の墓の意だろう。
高鴨神社 【ル-ト地図】の10
鴨族発祥の地で全国の加茂(賀茂・鴨)神社の総社
高鴨神社の隣り
正面の木が茂っている所だが、峠の感じはない。
風の森神社 《地図》
風の神の「志那都比古神」を祀る。
このあたりは『下街道②』でも歩いた。
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