秩父の坂(秩父巡礼道)-6
2008年7月11日
白久駅(秩父鉄道)・・・玉姫稲荷・・・三十番から三十一番への江戸巡礼古道・・・古井戸跡・・・秩父往還・・・薬師堂・・・二見沢橋・・・円通寺入口・・・中野地蔵尊入口・・・(秩父鉄道をくぐる)・・・道標(太陽寺・巡礼道分岐)・・・六所神社・・・六所橋・・・栃の木坂(右の写真は坂下の荒川の栃の木坂の渡し跡あたり)・・・栃の木坂・・・(秩父鉄道をくぐる)・・・三峰駅・・・白川橋(荒川)・・・国道140号(彩甲斐街道)・・・贄川(にえがわ)宿・・・御堂鐘地蔵尊・江戸巡礼古道・・・荒川西小学校・・・県道37号(皆野・両神・荒川線)・・・江戸巡礼古道・・・贄川・・・県道37号・・・双神トンネル・・・八坂宮・・・馬坂・・・県道37号・・・小森橋(小森川)・・・薬師の湯・・・法養寺薬師堂・両神神社・・・両神庁舎・両神中学校・・・江戸巡礼古道・・・薄(すすき)川・・・(県道両神小鹿野線)・・・権五郎落峠・・・飯田橋(赤平川)・・・国道299号・・・三田川郵便局・・・宮平橋(岩殿沢)・・・三十一番入口道標・・・大日堂・・・たらちね観音(光珠院)・・・地蔵寺・・・観音山トンネル・・・三十一番観音院・・・国道299号・・・十一面観音堂・・・小鹿野町役場・小鹿神社旧本殿・小鹿野町役場前バス停→西武秩父駅
秩父札所三十番から三十一番への長い坂道散歩です。白久駅からの三十番への上り坂の途中で江戸巡礼古道に入る。秩父往還に出て、秩父鉄道をくぐり、太陽寺の道標から右へ巡礼道を進む。栃の木坂を下って荒川に出る。栃の木坂の渡しがあったところだ。浅瀬を渡れなくもないが、対岸の道も工事中のようではっきりせず引き返し、秩父鉄道沿いに三峰駅に出る。
荒川を白川橋で越えると贄川宿で、御堂鐘地蔵尊の所から江戸巡礼古道に入る。荒川西小学校の脇を上って峠を下り、県道37号に出る。少し北に進み、贄川へ下る江戸巡礼古道へ入る。贄川までやぶ蚊にまとわりつかれながら下り、川を渡って上って行くがまた贄川?に出てしまう。行ったり来たり何度か流れを渡っても道が分からず県道まで引き返すことにしたが、最初に渡った所が分からず、あっちこっちへウロウロ、おまけに滑って片足を川の流れに入れてしまい情けない。なんとか県道まで戻ったが、ロスタイムと暑い中、消耗度は大きい。
単調な県道歩きが続くが、歩道もついているし車はほとんど通らないのが救いだ。双神トンネルを抜け、大指のバス停を過ぎると下りとなって、小鹿野町の道路標識が掛かっている。両神村のはずだがと思ったが、3年前に合併していた。
江戸巡礼古道は馬坂を上って小森川へ下りて川を渡っていたようだが、道標もなく道筋もはっきりしないので県道に戻って、小森橋で小森川を渡る。レトロチックな建物が並ぶ三叉路を過ぎると、多くの巡礼達が立ち寄った法養寺薬師堂で、ここがやっと三十一番までの中間点あたりだ。両神庁舎の所で県道を離れ江戸巡礼古道に入る。薄川にゆるやかに下り、切通しの急坂を上るこの道は古道の面影を残していて、ずっと県道を歩いてきたのでほっとする気分だ。
さて次ぎは権五郎落峠を越える。名前から急な山道の峠越えだろうと覚悟していた。「権五郎落し」の由来も「権五郎という山賊がこの峠を通る旅人を襲い、身ぐるみ剥いで峠から突き落とした。」なんて想像していた。ところが傾斜もさほどでないただの広い車道で峠の上からの眺望もきかず、名前の由来もたわいのないもの(後述)でちょっとガッカリ、拍子抜けだが疲れてきた足には歩きやすいのを感謝すべきか。峠を下り、赤平川を渡り、国道299号を東に進み、三田川郵便局から江戸巡礼古道に入り、岩殿沢の宮平橋を渡ると、栗尾から来る三十一番への上り坂に出る。
長くゆるやかに上って、途中に大日堂、地蔵寺の水子地蔵などを見ながら観音山トンネルを巡礼道で迂回して過ぎると三十一番観音寺の仁王門が見えてきた。ほっとするのも束の間、仁王門から観音堂までは252段の石段がこたえる。涼しげな聖浄の滝を見ながら観音堂前のベンチで一休みする。後は、栗尾まで下りと小鹿野町役場までの平坦な道なので気が楽だ。国道299号から小鹿野町の広いメイン通りに入る。このあたりは古来、武蔵、上野、甲斐、信濃への交通の要衝で市場町として栄えてきた。今でも古い建物の商店、旅館なども残り、けっこう賑やかな明るい商店街という感じだ。
明日は秩父札所の坂道散歩の最後で、ここから大日峠越えで三十二番へ出て三十三番へ向い、札立峠越えで結願寺の三十四番まで歩く予定だ。今日以上の距離があるかも。今日の秩父地方の最高気温は30.5度だった。明日はもっと暑くなるらしい。途中の峠越えや、道に迷って熱中症でぶっ倒れたりしないだろうかなど考えながら、まだ西日が強い中、小鹿野役場前からバスで西武秩父駅に向った。
*参考:『秩父三十四観音霊場』(秩父札所連合会)
【ルート地図】
写真をクリックすると拡大します。
白久駅から三十番法雲寺への途中。
江戸巡礼古道(玉姫稲荷の少し先から右へ入る。)
小祠の先に巡礼達ものどを潤したという湧き水の古井戸があるが、汚れがひどく写真は撮らず。
安永9年(1780)建立で、「右三十番」とある。左は二十三夜塔?
秩父往還沿い
秩父往還を三峰駅の方へ下って行く。
道標「東国高野大日向山入口」(文化6年(1809)建立)【ル-ト地図】の22
高野大日向山は太陽寺(秩父十三仏霊場の11番)で左へ、江戸巡礼古道は右へ栃の木坂を下って、「栃の木坂の渡し」で荒川を渡っていた。
「荒川は渡れません・・・」とある。それでも栃の木坂はあるだろうから行ってみる。
新しい小社だ。六所大神は、麻疹(はしか、疫病除けの神。
江戸巡礼古道に架けられた土橋だった。往時はもっと低い位置に架けられていた。
荒川へ下る坂。
左崖上に地蔵さん
巡礼道はここを渡り、八幡坂を上っていた。
浅いので渡れないこともないが、対岸の道は工事中のようで、上れるかはっきりしないので引き返す。
白川橋から荒川 《地図》
左へ上る。
巡礼道は秩父甲州往還、渡船場は「栃の木坂の渡し」(八幡の渡し)で、荒川最上流にあった渡船場で、昭和4年に白川橋ができるまで続いた。巡礼道は荒川を渡って、八幡坂を上った。八幡坂がどうなっているかは未確認。
宝暦7年(1757)にこの先を上った巡礼道に建てられたものを平成7年にここに移した。
三十一番へはここから三里(12km)とある。
苔が見事だ。
もとは2基あって、道標庚申塔(享保13年(1728))は御堂鐘地蔵のところへ移された。
この先で、江戸巡礼古道は右へ贄川へと下って行く。手前は国道140号方向へ工事中。
後で調べてもこの道らしいが、この先、消滅寸前の道筋もあるようだ。
また流れに出てしまった。この後も何度か流れを渡っているうちに分からなくなって、引き返すのに苦労した。おまけに滑って片足はズブ濡れになった。
双神トンネルを抜ける。 《地図》
両神村だと思っていたが、2005年10月に小鹿野町と合併した。
県道沿いの小さな社
左の石垣上に地蔵や二十三夜塔が立つ。
小森橋から小森川 《地図》
レトロな建物が並ぶ両神山、旧荒川村への三叉路 《地図》
大正時代からの日本酒造所。現在は観光スポットとしての資料館。
このあたりが、巡礼道の三十番から三十一番への中間点らしい。マラソンの折り返し地点のようにまだ先が長い。
室町時代の創建の古刹で、戦国時代に鉢形城主北条氏邦が古堂を移築したものと伝えられている。眼の病にご利益があり、「山の薬師」として庶民の信仰が厚い。仁王門の前に日本三体薬師尊の石柱が立っているが、日本三体薬師がどこなのか分からず。本尊の薬師如来は秩父十三仏の一つ。
道標も兼ねている。「三十一ばんみち」とある。
流れはすぐ下だ。
三田川と両神を結ぶ重要な峠道で、昔は狭く上り下りの激しい峠だった。
峠へ上りはじめてすぐ左側にこの説明板があるが、墓は見当たらない。
両側は切通しの崖で眺めはない。
由来話① ある時、「ごんごろう」さんが馬を引いて峠を越そうとして足を踏みはずし、谷底へゴンゴロ、ゴンゴロと落ちてしまった。それから「ごんごろう落とし峠」となった。由来話②「昔、村人が峠を越そうとして、悪路に足を滑らせ持っていた大切な五合の品物(米だったとも)を落としてしまった。それ以来、「五合落とし峠」になった。『秩父の伝説』より
山賊か鎌倉権五郎にゆかりのある峠かとも思っていたが、見当はずれだった。
こちらの方が急だ。
突当たりは国道299号
左側面に「三十一番道」
往時の巡礼道は橋の手前で岩殿沢へ下り、沢を渡って対岸の斜面を上っていた。
巡礼道古道はここへ出た。右側面に、「従是二十五丁」とある。
けっこう新しい感じだ。
昭和43年にできた新しい宗教法人
ぎっしり並ぶ小さな水子地蔵。道路の反対側にもある。
馬頭観音と観音さんが立つ前を左に入る。
大した距離ではない。
札所随一の高さ4m以上の仁王の石像。ここから252段の石段を上る。
昔はもっと水量も豊富で、行者が水垢離(みずごり)した落差が60mほどの滝。
こちらも暑くて水浴びがしたい気分だ。
滝下の池のそばに立つ。
秩父地方で唯一の磨崖仏だが、風化摩滅が激しくはっきり見えない。俗に「十万八千仏」といい、室町時代の製作と推定されている。
栗尾バス停そば
顔が・・・
仁王(金剛力士像)は室町時代の作という。
明和2年に代官の出役所として発足したのが創業の端緒。
*平成23年10月に小鹿野町観光交流館になったようだ。
「古代秩父練羊羹」の店
小鹿神社旧本殿 《地図》
小鹿野町役場の裏にある。小鹿神社は、明治43年の洪水等により小鹿野1432へ移転し、本殿はそのまま残された。桁行142.0 ㎝、梁間153.0 ㎝、流造り、唐破風と千鳥破風の向拝が付き、精巧な彫刻を施した社殿である。
小鹿野町役場の東側の県道沿い。
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