四国遍路道(高知県-12)
2008年10月25日
末広旅館・・・国道56号・・・四国電力産業廃棄物保管場所・市野瀬遍路道・片坂・・・国道56号・・・拳ノ川・・・佐賀温泉・・・文殊堂・・・身代り地蔵・・・伊与木城跡碑・・・八幡宮・・・熊井トンネル・・・(土佐くろしお鉄道中村線)・・・衰(水)神坂・・・(土佐佐賀駅)・・・佐賀橋(伊与木川)・・・国道56号・・・鹿島ケ浦・・・井の岬トンネル(320m)・・・天満宮・・・伊田トンネル(172m)・・・観音寺・・・有井川橋・・・土佐東寺庵・・・王無の浜・海の王迎駅・・・民宿みやこ
37番岩本寺から足摺岬の38番金剛福寺までは80km以上で88寺の札所間では最長距離。今回の遍路道歩きは途中の四万十川沿いの町、中村まで。国道56号に出てゆるやかに上って行く。広い道でさほど上った感じはしないが、峰の上交差点の手前は標高290mほどあった。四国電力の敷地から市野瀬遍路道に入り、片坂を下って国道を短絡する。再び国道に出ると起伏のある単調な道が続き少し飽きてくる。
伊与木駅の先で遍路道に入り、八幡宮の脇を上って、旧県道だった熊井トンネルを抜ける。今は車も通らず静かな昔を感じさせるトンネルで気に入った。トンネルを抜けた所で学者風遍路のKさんが休憩していた。昨日は岩本寺の宿坊に泊まったそうだ。土佐くろしお鉄道を渡り、国道56号に出たがこの先、国道を進んでよいものか迷ったので、Kさんを待つ。やっぱり国道を行って土佐佐賀駅へ出るようだ。国道の坂を上り始めたら衰神(水神)坂の説明板があるのに気がついた。もちろんKさんには先に行ってもらう。この坂は坂自体に面白味はないが、昔話の残る坂だ(昔話もそれほど面白くはないが)。
土佐佐賀駅で休憩して時刻表を見ると10分ほどで電車が来る時間だ。急いで近くの伊与木川まで行き、川を渡る電車の写真を撮ることにする。伊与木川を渡り国道56号に出て、鹿島ケ浦から海岸沿いに佐賀公園、白浜と過ぎる。灘で海岸から離れ井の岬トンネル、伊田トンネルを抜け観音寺で一休み。南北朝時代の逸話の残る王無しの浜から、変わった駅名の「海の王迎」駅に寄って今夜の宿「民宿みやこ」に着いた。ちょうど隣りの民宿日の出にKさんが入って行った。まだ4時前で一人で大きなフロでゆったりとくつろぐ。5時頃、静岡のOさんともう一人がやって来た。夕食は土地の中年グループが10人ほどが一緒で賑やかで、今日は土曜日でここに泊まったようだった。
【ルート地図】(325→337)
写真をクリックすると拡大します。
四国電力産業廃棄物保管所
ここを左に曲がって市野瀬遍路道へ。
市野瀬遍路道
市野瀬遍路道保全橋から
ここを通るお遍路、通行人のために遍路の有志が建てたもののようだ。
近くの山頂にあった城というが詳細は分からず。
今は歩き遍路の格好な休憩所、野宿遍路用の宿。
八幡宮 《地図》
「トンネルというものは入口は大きいが出口は小さいものぢゃのう」と言った土地の老人の気持ちはよく分かる。
中は歴史を感じる。これが県道だったとは。車のすれ違いは出来ない。
「衰神坂の昔話」:「昔、飢饉の時にこの村に一人の山伏がやって来て村人に物乞いをした。自分たちのその日の食べ物にも困っていた村人たちはどの家でも断った。山伏は怒ってこの坂から村めがけて村が衰えるようにとホラ貝を吹きはじめた。するとあたりは暗くなり、強風、雷、豪雨となった。この時、異変に気づいた伊与木川岸に住んでいた修験者が、庭先から衰神坂めがけてホラ貝を吹き返した。この音色が作法通りの格上だったため山伏は金縛りにかかってしまった。山伏は反省して村人に許しを願い、村人も快く山伏を許した。金縛りも解け、山伏は村人に見送られて西国へ旅立ったという。」 (下の昔話からの要約)
鹿島ケ浦 《地図》
正面左が鹿島だろう。「(土佐西南)大規模地震」を連想してしまう公園の名だ。まだ地震は起きていないが。
「朝鮮国女の墓」入口
慶長の役の時の長宗我部軍の捕虜の女子。言葉も通じない異国で一人さびしく暮らし、機織の技術を近郷に広めてひっそりと生涯を閉じたという。
無料接待所らしいが、閉まっていてよく分からない。
「王」とは後醍醐天皇の第一皇子の尊良親王のこと。説明板ではなぜ「王無し」なのか分からない。『尊良親王哀歌』によれば、「有井三郎が宮を迎えにこの浜に来た時には、すでに大平弾正が宮を警護してこの浜を立ち去った後だったので、「王無しの浜」と呼ぶようになった。」 有井三郎が一族の者を待たせた有井川村と上川口村の間にある坂を「待つ王坂」(椎の木坂)という。(有井川駅と土佐上川口駅の間の近くか)
ユニークな駅名だ。
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