四国遍路道(高知県-15)
2008年11月16日
高知駅(JR土讃線・土佐くろしお鉄道)→中村駅・・・渡川大橋・・・県道20号・・・四万十大橋・・・国道321号・・・大文字山の送り火・・・庵寺・・・津蔵渕橋(津蔵渕川)・・・伊豆田坂・・・今大師寺・新伊豆田トンネル(1620m)・・・伊豆田橋(市野瀬川)・・・真念庵(番外霊場)・・・ドライブイン水車・・・市野々橋(市野々川)・・・下ノ加江川・・・神母神社・・・民宿安宿
四万十市の中村から足摺岬の38番金剛福寺を回り、三原村、宿毛市を通り、「修行の道場」の土佐から「菩提の道場」の伊予国愛媛県に入り、松山市の道後温泉そばの51番石手寺までの四国遍路道の坂道散歩です。
前回の続きで足摺岬を目指して中村駅から歩き始める。四万十大橋を渡り国道を歩いていると散歩中の犬が自動車に当て逃げされて倒れている。薄目を開け、触ってみるとまだ体は温かく血は流れていないようだ。ちょっとうろたえている飼い主のおばさんに近所の人と医者に運ぶように勧める。今日も大坂でバイクで新聞配達中の青年が飲酒運転の乗用車に引き逃げされて死んだらしい。最近の運転者のモラルの低下に憤りながら早足で進む。
しばらく行くと右手の小さな大文字山の山肌に「大」の文字が見える。応仁の乱を避けて中村へ下向した一条家が京の大文字焼を懐かしんで始めたもので、ここ間崎地区の人々によって500年以上受け継がれてきているという。緩やかな伊豆田坂を上って今大師寺の先から新伊豆田トンネルに入る。1620mもある長いトンネルで車の騒音を心配したが、通行量は意外に少なく歩行者用通路の幅も広いし、照明も明るく抜けるのはさほど苦ではなかった。
土佐清水市に入り、「四国遍路の父」とも称されるの真念を祀る真念庵に寄る。苔むした石段(上の写真)の上に小さな庵がひっそりと佇んでいる。夕刻も近い国道を下ノ加江川沿いを急ぎ、今夜の宿の民宿「安宿」(「やすやど」ではなく「あんしゅく」)に着いた。ここは下の加江川の河口近くで、ちょうど38番へ向う遍路と、38番から打戻り三原村から宿毛市の39番延光寺へ向う遍路の出会う宿で今日の泊まりは一人歩きの5人。うち2人が38番へ、2人が39番へ、もう一人は逆打ちのご老体遍路という顔ぶれ。夕食は情報交換などで賑やかだ。隣に座った酒好き遍路は、ビール(大びん)、酒を2本、その後でまたビールを飲んでいる。毎日こんなペースだという。さぞかし金がかかることだろう。ご老体遍路は体調が良くないという。宿の主人も話好きでいろんなアドバイスをしてくれるが、ちょっと話し過ぎと感じるのは私だけか。明日はいよいよ足摺岬だ。
【ルート地図】(359→366)
写真をクリックすると拡大します。
アンパンマン電車(土佐くろしお鉄道)で高知駅から四万十市の中村駅へ。
漫画の「アンパンマン」の作者、やなせたかしは高知県香美市の出身。
四万十川の河口近くで中筋川(手前が)四万十川に合流するあたり。
大文字山の送り火 【ルート地図】の360
高野山も今大師と呼ぶことを認めて許したという「玉還喜伝坊」と、弘法大師、不動尊を祀る。
新伊豆田トンネルへ上って、下る坂。
【ル-ト地図】の364トンネルを抜けると四万十市から土佐清水市に入る。
土佐清水市に入って下る。
88ケ寺の寺名を彫った石仏が並ぶ。
顔の表情がユーモラスというか稚拙というか。右は28番大日寺、左は29番国分寺。
真念は遍路がここに一泊し、荷物を置いて38番を打った後、打ち戻ってここに立ち寄り、39番延光寺に向えるように庵を建てたという。
山合いに日が沈みかけている。
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