四国遍路道(愛媛県-9)
2009年3月8日
松山駅・・・姫原橋・・・軽之神社・姫池・六地蔵・比翼塚・・・蓮華寺(番外霊場)・・・礼拝(らわい)坂・生木の地蔵・・・一里塚石・・・福永神社・・・志津川池・・・志津川橋(大川)・・・井関橋(久万川)・・・(JR予讃線)・・・大将軍神社・・・入山田池・・・一の門・仁王門・一畑薬師堂・山門・52番太山(たいざん)寺・・・52番奥の院(経ケ森)・・・県道183号・・・中乃川橋(久万川)・・・県道39号・・・勝岡八幡神社・・・53番円明寺(えんみょう)奥の院(番外霊場)・・・県道39号・・・中乃川橋・・・恵比寿神社・・・53番円明寺・・・馬木橋(大川)・・・花見川橋(権現川)・・・堀江橋(郷谷川)・・・三穂神社・・・民宿四国
松山駅から北に向かい、国道196号の姫原橋交差点で遍路道からはずれ東へ、木梨之軽太子と軽大郎女の悲恋物語、日本最初の心中事件?の伝承地、姫池、軽之神社、比翼塚に寄る。蓮華寺門前の周辺案内図に礼拝坂があるのを見つけた。遍路道からも近く、坂道散歩にはうってつけの坂だ。蓮華寺にゆかりのある坂名だが、「礼拝」は坂の途中の生木の地蔵のマリア像の方がピッタリする感じがする。
菜の花が咲く川沿いから52番太山寺の参道に出て一の門、仁王門、山門と上って行く。奥の院は松山観光港のある高浜町への山道沿いの経ケ森で、お堂はなく360度の展望の見晴らしの所に観音像の塔が立っている。太山寺境内から53番奥の院経由で53番円明寺へ行ける遍路道があるはずだが見当たらず、聞いてもはっきりしない。仕方なく一の門へ戻り、県道183号から久万川沿いを進み、勝岡八幡神社前を通ってかなり大回りして、さらに途中で道を間違えかなりの時間をかけて53番の奥の院へたどり着いた。来た道を戻り、伊予和気駅近くの53番円明寺へ向う。
53番の「和気の円明さん」は52番太山寺に比べると平坦な町中の寺でこじんまりとしている。ここにもマリア像を刻んだキリシタン灯ろうがある。松山から今治までの一帯は、隠れキリシタンが多くいたという。予定より時間を食ってしまいもう5時近い。県道39号を今夜の宿の民宿四国に向う。途中の民宿伊予路は閉まっていた。当初ここに泊まるつもりだったのだが電話が通じなかった。廃業したのだろうか。夕暮れの堀江港に寄ってから宿に入った。おかみさんは今夜は客が多くて大変だという。遍路ではなく工事関係者が泊まっているというが、まだ帰ってはいなかった。急いで風呂に入り、部屋に運んでもらった夕食を食べる。今夜はさぞかし騒々しくて眠れないかと覚悟していたが、何と言うことはなく静かな夜でいささか拍子抜けした感じだった。
【ルート地図】(509→522)
写真をクリックすると拡大します。
同母の兄妹の木梨之軽太子(きなしのかるのみこ)と軽大郎女(かるのおおいらつめ)の悲恋物語。
六地蔵から軽之神社方向
軽太子が伊予に流された時の歌と、軽大郎女が軽太子を追って行く時に作った歌。
延宝2年(1674)の建立。行基が当寺の山頂(室岡(しっこう)山)で見つけたという薬師如来像が本尊。山頂には1500年以上も昔の霊所遺跡(岩室)があるという。
礼拝(らわい)坂(坂下から) 北東に上る坂。【ルート地図】の511
蓮華寺山頂の室岡山の薬師如来像を村人がこの坂上から拝んだところからこの坂名がついたという。座拝(ざはい)坂ともいう。
左正面が室岡山蓮華寺
隠れキリシタンが崇拝した石柱のマリア像が木の根元に植え込まれている。このマリア像を礼拝したから、「礼拝坂」と呼ぶようになったという方が似つかわしい感じだが、隠れキリシタンはおおっぴらに礼拝はせず、坂に名もつけたりはしないだろう。
「松山札の辻より壱里」
【ル-ト地図】の513大将軍とは誰のことなのか?
【ル-ト地図】の515「もりもり もりあがる 雲へ あゆむ」
眼病に霊験あらたかという。
52番太山寺本堂(国宝)
札所の中では2番目に古い本堂。豊後の真野長者により建立され、鎌倉時代に河野氏により再建された。
右下の石をたたいてお参りする。
「一夜建立の御堂」の伝承のある太山寺の創建者という豊後国の真野長者とその娘の般若姫を祀る。この姫は用明天皇がその婿になろうと草刈童にまでなって近づいたという程の美人だったとか。
下は松山観光港か
堂はなく観音像だけが立っている。「聖武天皇埋経の地」の石碑があるそうだ。それで経ケ森というのか。
360度の展望で眺めがいい。
古い家並みの道
元の円明寺があった所。
53番円明寺八脚門 【ルート地図】の521
慶安3年(1650)の銅製の納札が保存されている。龍の彫り物は左甚五郎作と伝える。
マリア観音
広島方面へのフェリーが出ている。
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コメント
Oさん、お久しぶりです。
3月8日の52番太山寺から、雨と突風の三角寺、雪の雲辺寺を巡り、88番大窪寺で結願しました。(変則的な巡り方のため、68番神恵院から87番長尾寺まではすでに巡拝済み。ただし、81番白峯寺と82番根香寺は今回巡拝)
私も、菊間町のお遍路接待所で中学生の作った小さな厄除けの鬼瓦と、「ぶじかえる」をいただきました。
88番へは好天で、女体山越えの遍路道を名残りを惜しんでゆっくり歩きました。歩いていながら、また巡りたいと思ってきました。5月の連休明けに1番から、違ったコース、宿で再度ゆっくり巡り始めてみるつもりです。
どうかOさんも、無事で、元気で結願されるよう祈っています。
投稿: 坂道散歩(ヤタガラス) | 2009年3月24日 (火) 21:29
いよいよ、暖かくなってきましたね!
私も3月15日から22日迄の8日間で75番
善通寺迄回ってきました
この坂道散歩を読んでみると、遍路道周りをくまなく見聞する姿勢に感心しきりです
今治市(旧菊間町)には鬼瓦工場がたくさんあり無人遍路接待所で4~5センチ四方のミニ鬼瓦を頂いてきました
私は60番横峯寺では山登り、下りで大変でした
62番宝寿寺は朝8時(7時ではない)からでなければ納経の受付窓口」が開かないそうです
伊予西条駅前の(BH玉の家)では歩き遍路と言って400円の割引がありました
これは、63番吉祥寺住職から聞いたと言ってみなさいと、アドバイスされました(笑)
結願は秋にしようかと思います
ブログの続きを楽しみにしています
投稿: 静岡県のO | 2009年3月24日 (火) 13:42