熊野古道(中辺路④ 熊瀬王子→熊野本宮大社)
2012年4月7日
紀伊田辺駅(JR紀勢本線)→小広峠バス停・・・番号道標41・・熊瀬川王子跡・・・一里塚跡・熊瀬坂・・・草鞋峠・・・女坂・・・番号道標43・・・通行禁止・迂回路・・・(岩神峠)・・・蛇形地蔵・・・迂回路終了地点・・・番号道標51・・・湯川王子跡・・・番号道標53・三越峠(約500m)・関所跡・・・音無川・番号道標58・・・赤木越え分岐・・・船玉神社・・・猪鼻王子跡・・・たっくん坂・・番号道標61・・・発心門王子跡・南無房宅跡・・・歯痛の地蔵・・・番号道標65・水呑王子跡・三里小学校三越分校跡・・・菊水井戸・・・一里坂・・・伏拝王子跡・和泉式部供養塔・・・番号道標71・・三軒茶屋跡・小辺路分岐点・九鬼ケ口関所跡・・・番号道標73・・・展望台・・・番号道標75・祓殿王子跡・・袖切坂・・熊野本宮大社・・・大斎原・・・熊野本宮バス停→紀伊田辺駅
草鞋峠から女坂を下った所からは台風12号の被害で迂回路となる。北風に雪が舞う斜面を上って、古道の雰囲気の残る林間コースに入って下り、蛇形地蔵の先で本来の古道と合流し湯川王子跡へ。最後の三越峠を越えれば後は起伏はあるものの、本宮大社へは緩やかな道となる。
ほとんど歩いている人には出会わなかった中辺路から本宮大社の大勢の参拝客の間に入ると違和感を覚え、無事に中辺路を歩き終えた感慨には浸れなかった。遅い昼飯の後、バスで紀伊田辺駅に戻った。明日は大辺路の続きだ。
【ル-ト地図】
*参考:『和歌山県街道マップ(熊野古道 中辺路 18)』
写真をクリックすると拡大します。
小広王子からは1kmもなく、同一の社とする説もある。
右に一里塚跡碑(和歌山から28里) 以前は一里塚の松の株が残っていたという。
この付近は蛭(ひる)が多く、蛭降峠といわれていて、手足を蛭が這い、頭の上からも降ってきたという。今はいないようだか、気持ちのいいものではなく、何となくムズムズした。
女坂といってもつづら折れの急坂だ。女坂と男坂で夫婦坂と呼び、その間を取り持つのが仲人茶屋と、うまくできている。
林道に下って仲人茶屋跡から岩神王子への男坂の上りとなるのだが・・・・。
仲人茶屋跡・男坂・岩神王子・岩神坂・おぎん地蔵・一里塚跡(29里)は、パスすることになる。(番号道標44~50の間)
距離的には少し長くなるだけか。だが671m近くまで上ることになる。
ぜんそくに霊験あらたかとか。
幸い「ダル」という妖怪には取り憑かれなかったが、野球の「ダル」は大リーグで妖怪になれるだろうか?
前方に湯川一族の墓の標識。墓は沢を渡った所にあるのか?
近野神社に合祀。左に「湯川一族発祥の地碑」
猪鼻王子、発心門王子は直進。湯の峰温泉は小栗判官を蘇生させた地とされている。
船玉神社 《地図》
鎮座地を玉滝山といい、小さな玉滝・音無の滝があったという。滝は明治22年の大水害で埋まってしまったそうだ。並んでいる玉姫稲荷(写真右)は、船玉神と夫婦神という。
坂名の由来は? 左に番号道標61
発心門王子跡 《地図》
藤原定家が泊まった尼僧の庵跡。定家は柱に一首書きつけたが、後で聞くと庵主は落書きを厳禁していたということだった。
鳥獣よけの「ししおどし」のからくり人形で、後ろの水槽に水が溜まると、旗が上がりカラスも上を向いて歓迎してくれる(驚かしてか)のだが、今日はお休みのようだ。
王子跡の分校も跡になってしまった。寂しいかぎりだ。
「道休(禅定門)」と刻む。昨日の小判地蔵と同じく愛洲氏が建てたものだろう。
NHKTV朝の連続ドラマ『ほんまもん』の撮影ポイントだそうだ。
ここから本宮大社までほぼ1里であることによる坂名という。一里塚があったのではないようだ。
伏拝王子跡 《地図》
和泉式部供養塔(右)・笠塔婆(左)
熊野詣の途中で、月のさわりに見舞われた和泉式部が嘆いて詠んだ歌。その夜、式部の夢に熊野権現が現われて、「もろともに 塵にまじはる 神なれば 月のさはりも なにかくるしき」と返歌して、参拝を許されたという伝承。阿弥陀如来による救済は男・女、浄・不浄、貴・賤、阿弥陀への信・不信を問わないとする時宗の無差別の思想によるもので、和泉式部を引合いに出して、時宗の教えを宣伝したともの考えられている。和泉式部の熊野詣は確認できていないようだ。
いずれ高野山からの小辺路(左折)も歩くことになるか?
「右 かうや 十九里半 左きみい寺三十一里半」で、高野山は遥かなりか。
明治22年8月の水害時まで熊野本宮大社は熊野川・音無川・岩田川の3つの川の合流点にある「大斎原」と呼ばれる中洲にあった。
ここで転ぶと片袖をちぎって置いてこなけばならなかったという。本宮大社のゴール間近であせらないようにとの戒めの坂名。「ここで転ぶと3年以内に死ぬ」という三年坂と同じ発想だ。
本宮大社直前の王子。
八咫烏(やたがらす)ポスト
黄泉の国に配達されてしまうかも。
熊野本宮大社 【ル-ト地図】の66
「根の国、隠国(こもりく)、黄泉の国」熊野とは全く違う、まさに現世そのもので落胆、この明るさにはついて行けない。やっぱり熊野古道を歩いているうちが熊野を感じる時だ。
旧本宮大社地
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